猫が自分の体を舐めて毛づくろいする姿は、一日に何度も見かける日常的な光景ですよね。中でも前足部分を舐めてから顔や首の後ろなどを拭うような仕草は、見ていて愛おしさを感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。今回は、この猫の毛づくろいにどのような意味があるのか、どんなタイミングで毛づくろいするのかについてわかりやすく解説していきたいと思います。

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猫が毛づくろいする理由って？

実は猫の毛づくろいは本能による行動。猫が毛づくろいをする理由は、主に以下の4つです。

 

・体を清潔に保つため

・精神を安定させるため

・体温を調節するため

・愛情表現

体を清潔に保つため

猫は毛を舐めて不要な抜け毛を取り除き、毛並みを滑らかに整えるために毛づくろいをします。また毛づくろいは、体に付いた異物や寄生虫などを取り除く役割も担っています。つまり、猫が毛づくろいをするのは、体をきれいに保つためなのです。

精神を安定させるため

毛づくろいには、精神を安定させる効果もあります。ザラザラした猫の舌で体を舐める刺激で脳が活性化され、リラックス効果を得ることができるのです。

体温を調節するため

猫の毛づくろいは、体温を調節する役割も果たしています。猫は、汗を出すエクリン腺が肉球にしかないため、汗による体温調節ができません。そのため、舐めることによって唾液を体に付けたり、毛の間に空気を含ませたりすることで体温を調節しています。

愛情表現

毛づくろいは、猫同士のコミュニケーションツールにもなっています。猫同士で体を舐め合う｢アログルーミング｣という行為は一種の愛情表現の一つ。自分では舐めることができない箇所を互いに舐め合うことで、信頼関係を築いていると言われています。

猫が毛づくろいするタイミング

猫がよく毛づくろいをするタイミングは、ご飯を食べた後やトイレの後、就寝前など。食後は、口の周りなどについた汚れを落とすために入念に毛づくろいをします。他にはトイレの後や遊んだ後、寝る前など、一息つくタイミングにも良く見られます。

 

また、驚いた時などに気持ちを落ち着かせるために体を舐めることがありますが、この場合は体全体を舐めるというよりはピンポイントで舐めることが多いです。もしも脱毛するほど過剰に舐めている場合は、動物病院を受診した方がいいでしょう。

猫が毛づくろいをしなくなったら？

毛づくろいは本能行動であり猫の生活に欠かせない行動なので、頻度が極端に減った場合は体に何らかの異常をきたしていることが考えられます。病気にかかっている場合は、その他にも「ご飯を食べない」「あまり動かず寝てばかりいる」などの変化も見られるはずなので、早めに病院を受診しましょう。

 

病気の他にも、高齢によって体が動かしにくい、口腔内に疾患があるなどさまざまなケースが考えられるので、日々愛猫の毛づくろいの様子や頻度をよく観察し、変化があったらすぐに気が付くことができるようにしておくことが大切です。

長毛種の猫はブラッシングも必要

毛が長い種類の猫は毛づくろいだけでは十分でない場合が多いので、飼い主さんがブラッシングでサポートしてあげる必要があります。毛が長い種類の猫や毛の量が多い猫は、舐め上げる際にたくさんの抜け毛を飲み込んでしまいます。消化されなかった毛玉が体内にたまるのを防ぐためにも、できるだけ毎日ブラッシングしてあげましょう。また、日頃よく毛玉を吐く行為が見られる猫についても、飼い主さんがブラッシングすることで改善できる可能性があります。

 

短毛種の猫の場合は、毛が生え変わる時期は週に2回ほどのブラッシングがおすすめ。

毛づくろいは体調のバロメーター

猫にとって重要な意味がある毛づくろいは、健康かどうかを判断するバロメーター。日頃から毛づくろいのタイミング、頻度などをよく観察しておくことで、体調の変化に気付いてあげることができます。言葉を話すことができない動物のサインを見逃さないためにも、意識して見守ってあげてくださいね。